仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

東北コワーキングスペース運営者連携会議@co-ba koriyamaに行ってきました

3ヶ月に一遍のペースで開催されている、東北コワーキングスペース運営者連携会議。7/10(金)の今回は、郡山市コワーキングスペースco-ba koriyama」が会場でした。

地方都市にコワーキングスペースの文化が持ち込まれると、一気に複数スペースが立ち上がって、あっという間に激戦区になる現象に名前を……そんな都市の一つ、福島県郡山市

せっかく郡山に来たので、co-baに行く前にコワーキングスペースコオリヤマ(coko)に向かいました。仙台でいうと国分町のはずれあたりと同じ臭いを感じる、飲み歩く人間独特の郷愁を刺激する並びをしばらくさまよい、見つけました。こんな賑やかな場所にあるのって楽しそう。
部屋に入ると、見たことのがある人が天井のエアコン修理を…米沢のコワーキングスペーススタジオ八百萬の山田さんです。なにかトラブルがあると手を出さずにいられないところが実にコワーキング的だと思いました。

私はiPhoneの電源が切れそうだったので、慌てて充電器をお借りしました。
「今日は6時からセミナーがあって連携会議に参加できなくて残念です!」という、運営者のアイカラー山口さんとちょっとお話して、脱力して座ってました。暑かったのでエアコンが嬉しくて。
明るくて広すぎず狭すぎず落ち着く場所でした。郡山市の方や学生さんが出入りしていて賑やかでした。イベント・セミナーが次々開催されているようです。

「ここからco-baはどうやって行けばいいんでしょう」「徒歩は厳しいです。バスなら、駅前からですね」「誰かもう一人ここに来ませんかねぇ、そうしたらタクシー相乗りできるのに」
「誰かcokoに来ませんか?」と、山田さんがイベントページに投稿したら、成田さん(山形のコワーキングスペース「なれあい」運営者)が来てくれるといいう、とってもありがたい展開になり、ちょうどセミナー開始時間となったcokoを後にしました。タクシーでco-baへ向かいました。

co-baはこんなかんじです。一階1フロアをまるまる使っているので全面窓で、開放感があります。ピアノもあるし、卓球台も。さっそく卓球をはじめる、成田さんと本多さん(cocolin)。製氷機までありました!


受付の黒板にはイベント予定が描かれています。賑やかですねぇ。

そして気になっていたキッチン、この日はブラインドが降りていたのですが、すきまから覗いてました。

今日はオーガニック創作スペイン料理のケータリングということで料理人の方がいらしてこの連携会議のために料理を作ってくださってます。もういい匂いが漂ってます。私はずっとキッチンのあるコワーキングスペースが欲しい欲しいとうわごとのように言っているので、観察してました。PoRTalやいいオフィスよりはこじんまりした印象ですが、普通に料理するには充分。

そうこうしているうちに人が集まり、連携会議がスタート。

進行は、co-ba koriyamaの三部香奈さんです。
最初に郡山のコワーキングスペース状況の説明がありました。
co-ba koriyama、コワーキングスペースコオリヤマ(coko)、そして東北最大規模で話題となった福島コトひらくの紹介がありました。
一方、7Fの星野さんがフランチャイズで全国展開第一号ということで随分ニュースになった「コワーキングスポット郡山」の方は、情報がないということです。実は私、cokoに行く前にコワーキングスポット郡山の住所に行ってみたんです。しかし、それっぽい建物はあったけれど工事しているようなところは見当たらず、中に入って行くのもはばかられたので外から見るだけにとどめました。やはりこちらは今ストップしているんでしょうか。
そして、郡山初のコワーキングスペースとしてエダハというスペースがあったが、運営がたちゆかなくなくなってしまい、数ヶ月で閉鎖してしまったということが紹介されました。(で、この「数ヶ月で閉鎖」のところで、笑い声があがるんですよね。私は絶対笑えないです。)

その後、一旦乾杯とお食事、懇談タイム。
アルコールはサングリア二種でした。
お料理、とってもおいしかったです。この美しさ、料理の名前を添えるという演出、テーブルの上の花。私だったらこういう女子力高いこと、やらないわー。これは!と思ったのが、アボカドディップがタコスみたいなカップにはいったやつ。パクチーが入っていて爽やかな味でした。ノラヤの料理もたまには誰かに頼みたいと思いました。私はビールに揚げ物、大鍋にどかっ、っていうワイルド料理しか作れないので。

おなかも満足し、酔いも回ったところで、本日のメインのディスカッションが始まりました。ワールドカフェ形式で、「これからのコワーキングスペースと私たち」について考えていくというものです!酔っぱらいながら。

最初、「チェックイン」で、参加者全員の自己紹介がありました。
積極的に手をあげた人からやります。私はこういう時絶対最後まで手を挙げない。でも最後から二番目でした。
自己紹介プラス、「これからコワーキングスペースでやりたいこと」というのをみんな話すことになっていて、シェアハウスをしたいとか、みなさんすごく前向きで人や地域のためになるようなことを語っていたんですけど、私はまず「儲けたい」と、言ってしまいました。そんな欲の塊みたいなことを言った人は誰もいませんでしたが。金がなきゃ存続できないしやりたいこともできないから。あとは「まだまだ、コワーキングスペースを必要とする人に存在が知られていないから知られるようにしたい」と言ったけど、やっぱちょっと浮いた回答でしたね。まぁ仕方ない。ノラヤ管理人だから。

ワールドカフェについては、かつて人づてに知って興味を持ち、本を読んだりしたのですが体験したのははじめて。多くの人の声を拾い、みんなで共有する方法としてとても良いと実感しました。
もし「自由に意見を言いましょう」とした場合、7、8人を越えると発言しなくなる人が出てきます。どうしても声を出し慣れている人(社会的地位が高い人、先生とよばれる人、積極性のある人、年齢が上で自分が優位であると感じている人)ばかりが発言し、底辺な人は気圧されて黙りこんでしまいます。そしてもちろん私は黙りこむ人。声が小さい、喋るの嫌い。しかしそんな人も、少人数なら声を出しやすいし、言えないことを紙に書いて残せる。そして今回、「否定はしない」というルールがありました。私は普段「やだ」「むり」「できません」「それ誰がやるの」と否定の塊なので、否定しないのは辛かったのですがなんとか耐えました。ローテーションを終えて出てきた意見を見てみると、ビジネスが溢れる泉のような、コワーキングスペースの理想郷のようなものはまったく見られず、ノラヤがやってきたようなことをみんな目指したいんだということがわかって、ちょっと自信に繋がりましたね。
個人でいたい。組織に縛られたくない。でも、どこかに属してはいたい。居場所が欲しい。そんな矛盾するような、でも誰でも持っているような気持ちを受け止める場所としてコワーキングスペースが求められているし、みんなそういう場所を作りたいらしい。

それにしてもファシリテータ(?で、いいんでしょうか?)の三部香奈さんとても印象的でした。強制することなく、議論を誘導することなく、いろんな人の話を引き出す役割って面白いですね。ちょうど移動中に「ファシリテーション入門」の本を読んでいて、難しそうだな、どうやるんだろう、と思っていたのでその実例を間近に見ることができて良かったです!

最後に、三部さんがホワイトボードに大きな木を書き、そこに「今日のいちばんの気付き」を付箋に書いて、好きな所に貼って行くというのがありました。
この時私がなんて書いたかっていうと「ネオ親戚」
ワールドカフェ中の議論で興味深かったのが「コワーキングという言葉がわかりにくいから、別の日本語にしよう」という流れ。私は、内心「コワーキングという言葉があれば、世界と繋がるからと、その言葉を使い普及させようとしている先人からの流れを受け継ぐためには、変えないほうが……!!」と思ったけど、なにしろ否定はしちゃいけないルールなので、「うーん」とだけ言いました。しかし、このような意見が出るのにはもちろん理由があって、今コワーキングスペースをやっている人、これからやろうとしている人が、「コワーキング」という概念を伝えようとしてもうまく伝わらなくて、非常に苦労しているということなんですよね。その時、ファイブブリッジの畠山さんが以前言った「ネオ親戚」という言葉を漆田さんが教えてくれました。これは、私がノラヤに欲しいのをそのまま表していると思いました。家族、ほど強くも強制力もない。友達ほど、別に仲良くも気が合う訳でもない。なるほどなぁ、と思えることばでした。


私は早めに失礼し、新幹線→自転車で帰りました。すごく濃厚な一日でした。楽しかったです。
ものすごく有意義な時間だったので、東京のコワーキングスペース運営の人も混ざったらいいのに…なんてつい思ってしまうぐらいでした。

やっぱ東北でカンファレンスですかね?