コワーキングスペースは儲かるのか?2016年10月の売上報告
2016年10月の売上を公開します。
39,100円です。先月より、150円の増。うーん。微増。
そういうわけで今月も、家賃分すら売り上げがありませんでした。はい、コワーキングスペースは儲かりません。
オープン日は18日、うち2日イベント。実際にお客様がいらした日は10日ですので8日は誰も来なかったんです。
今月はWordPressもくもく会in仙台ノラヤ、3周年記念宴会と二つイベントがありました。3周年記念宴会は、なんと11人にも来ていただきまして、その一回で燃え尽きました。この日は採算無視で宴会しました。
本当はイベントがもう一つあって、それは恒例の芋煮会なんですけど、そちらはその場でかかった分精算するようにしているので、ノラヤとは経理が別扱いとなっています。
ありがたいことに仙台経済新聞さんの記事を見てドロップインの方が増えました。嬉しい限りです。
さて、今月から来月の目標をあげてみたいと思います。*1
オープン日は16日予定でドロップインは10日* 2人 = 20人とすれば20 * 500 = 10000。
他、予定としては貸切で10000円。
イベントは3つ開催予定で、32400円の収入が目標。
月額会員収入15000円を合わせると、合計67,400円、これを来月の目標とします。
*1:これは、「未来食堂ができるまで」を読んで、そのやり方を参考にしたものです。なお管理人のブックレビューはこちら。
ノラヤは10/10でオープンして3年目を迎えました
ノラヤはなんと、3周年を迎えることができました。
本当に不思議です。いやー、3年持ったんだ。
改めまして、ノラヤとはこれです。
コワーキングスペースは、経営が難しく、気合いを入れて立派なスペースを作ったはいいものの、つぶれてしまうケースも少なくありません。なのに個人で、3年。
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コワーキングスペースは儲かるのか?2016年9月の売り上げ公開
2016年9月の売上を公開します。
38,950円です。オープン日は18日、うち2日イベント、一日貸切。実際にお客様がいらした日は10日ですので8日は誰も来なかったんです。
8月より増えましたが相変わらず低いです。ドロップインも少ないしイベントも参加者少なくて一個ぽしゃってしまいました。経営は低迷。
そういうわけで今月も、コワーキングスペースは儲かりません。
そんなことより、今月はノラヤのチラシが他のコワーキングスペースに文面をパクられるという大事件が起きまして、やたら興奮していたので売上が低迷しても私は元気です。(なお、この件は仙台だけでなく全国の仲間にアドバイスをいただき、無事収束しました。今はパクられたチラシは使用されておりません)
今月は貸切イベントが一個。「Knowledge BBQ」という、ウェブ技術者向けの勉強会にノラヤを使っていただきました。
ノラヤのような、人と人との距離が近い小さいスペースは、小規模の勉強会にちょうどいいと思います。会議室ほど無機質でもないし。
ぜひ、今後とも小さめの勉強会やイベントに使ってほしいものです。勉強会の始め方がわからない場合も経験豊富な管理人が相談に乗ります。ただし、あやしい人や団体には貸しません。安心して使えるコワーキングスペースであること、これは頑なに守っていきたいと思います。
また、9月はノラヤサイエンスバーもありました。前回のサイエンスバーの2週間後に開催なので人が集まるかどうか心配だったのですが、しっかり満席になりました。ここんとこいつもサイエンスカフェ・ポータルさんのご縁で講師の方を紹介していただき、おかげで毎回多様な内容で開催できております。開催の時も大学関係の方にたくさん拡散してもらって、参加者もいろんな人が来るようになっています。なんだかんだ人のご縁で助けられてます。ありがたいことです!サイエンスバーについては、現状に満足せずもっともっと工夫していきたいです。
今月でノラヤは3周年。気がつけば、3年も続いているコワーキングスペースってすごいじゃん、という状態。4周年があるかどうかは限りなくあやしいですが、10月を迎えられることを素直に喜びたいと思います。
というわけで、10/8、3周年宴会、参加者募集中です。
コワーキングスペースは儲かるのか?2016年8月の売り上げ公開
2016年8月の売上を公開します。
32,000円です。
がたっと落ちましたね………
オープン日は14日、うち1日イベント、利用者18人(複数回来訪を除いた純粋な訪問者数:14人)。利用者が20人を切ったのは2015年の1月以来、正式オープンして以来2番目に少ない数字となりました。
オープン日は決して他の月と比べて激減したわけじゃぁないんですよ。 ドロップインが激減しました。利用者が来なくなりました。お客様がいらしたのは日数にして8日だけです。
さらに、イベント1回しかしてませんからね…
ただ、前に書いたように、8月は自分のやりたいことに向き合っていたので、充電期間として捉えていました。ですので、売り上げ激減状態になっても仕方ないと思ってました。思い切って、人が来なくても気にしないようにしました。
当たり前ですけど、コワーキングスペースで人が来ないのは即売り上げ減ですから、運営者にとってはストレスです。私の場合、時には人が来るのもストレスになってしまうんですけど。どっちもストレスなら、人が来てストレスは性格上しょうがないので我慢して、せめて、人が来ない時にストレス感じないようにするという方向に考える。これ、実は有効なんじゃないですかね?
唯一のイベント「ノラヤサイエンスバーvol.9」では、タイムリーな気象に関する話で、大雨や台風の話をたくさん聞くことができました。参加者も「普段の疑問をこの機会に…」とばかりに積極的に質問していたので、「熱い」と表現したくなるような雰囲気でした。いやー、濃かった……
9月はやっぱり週に4日オープンですが、3つイベントやる予定です。カレーの会も復活します。(予定)。
「ノラヤ」を応援してくださってありがとうございます
こんなタイトルで書き出すと、私だったら
「残念ですがこのたび……」と悪いニュースか?と勘ぐるのですが、そうではありませぬ。
行ったことはないけど大好きな仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」さん | 酒田のプログラマー&働き方オタク 高橋剛のブログ
先日なんとなく検索していたら、見つけてしまいました。
自分の目を疑いました。
そしてうちの「ノラヤ」のことについて書かれているんだ、と確認して、じんわりと嬉しくなりました。
ありがたいです。
仙台に数多く存在する素敵なコワーキングスペース群。設備も、価格も、アクセスの良さも、運営にかける労力も、ノラヤは負けています。
そんな私ができることは情報発信です。プログラミング能力もビジネスの才気もないけど、文章を書くのは苦になりませんから。コワーキングスペースのことをもっと知って欲しい。NAVERまとめも作るし。 そしてコワーキングスペースの運営の実態について知ってほしい。そういうのもあって、このブログを書いているのです。
そんな地道な行為をですねぇ。
初めて認めてもらったような、そんな気がしました。
「コワーキングスペース/シェアオフィス空間による協創型ワークプレイスの出現」を読んだ
コワーキングスペースについての研究成果をまとめた本があると知り、買って読んでみました。
コワーキングスペースやシェアオフィス等を総称したものを「共同型ワークプレイス」として、それ全般について調査したものです。不動産活用の立場からの研究なので、ノラヤ的にはピンとこない部分もあるのですが、立地の特徴とか、匿名だけどだいたいどこだかわかるコワーキングスペースの月額収益構造(つまりおさいふ事情)事例は、なかなか興味深いものでした。
なるほど、と思ったのは、コワーキングの3段階プロセスモデル(p.14)。
- 段階1:共存・共有(common)
- 段階2:共信(communication)
- 段階3:協創・協働(collaboration)
これ非常に納得できるもので、ありがちなのが段階1、共存・共有すなわち場所だけ作って、使ってもらっても、段階3の一緒になにか生み出して仕事するレベルにはひととびにいくわけではなく、そのうち消えてしまうと。
コワーキングスペースに行って名刺配って「なにかお仕事できないかな〜僕を活用してくださいよ〜」と、段階3に行きたいアピールをしたって、その人が段階2の共信、その場の信頼を得る存在にならないと進めないわけです。
行ったって役にたたないとよく揶揄される異業種交流会も、段階1だけの場ですよね。
段階1のスペースは、ぶっちゃけお金さえあれば誰でも作れます。
問題は段階2をどのように可能にしていくか。共信にcommunicationって書いてるけど、単なる会話やり取りだけでなく、信頼を軸とした安心の伴う関係が築けないと協働まで行くのは難しいでしょう。
クラウドソーシングとコワーキングスペースでの協業は対極にあるって昔誰かが言ってたんだけど、それは対面の信頼に重きをおくコワーキングと、ネットで見れる具体的実績と技術が判断材料のクラウドソーシング、の対比ということだと思います。
さてそれをふまえて、面白いなぁと思ったのは「協創分人」という概念です(p.63)。
個人(individual)のinを取ったdividualが分人、個人の中にあるいろんな顔。それが「協創分人」となると、どういう状態かというと
「協創型ワークプレイス(Collaborative Innovation Workplace)」における協創者たちは、多様な役割を担い、その場ごとに顔を持ち、分人化した相互がコラボレーションすることで、価値創造に取り組んでいると考えられる。
そこで、単なる「分人(individual)」ではなく、いったん分解した個人が個々の顔で、ふたたび協働・競争するので、筆者はこれを「協働分人」と呼ぶ。また、これらの働きは、個人個人の潜在的な能力を開花させ、イノベーションを生み出す「協創型ワークプレイス(Collaborative Innovation Workplace)」の機能であることを明らかとした。
(p.63より引用)
ちなみに「協創型ワークプレイス(Collaborative Innovation Workplace)」とは、前述の段階3まで達成できているワークプレイスを、直前のページでこのように定義しています。
引用した箇所では難しく書いてますけど、はしょって言うと、コワーキングスペースでは必ずしも本業の顔だけ生きるんではなく、いろんな自分の隠れた得意なところが明らかになって、それが誰かの役に立つ。その状態が協働分人で、それがコワーキングスペースで起きる面白いところだってことです。(かなり意訳……)
これはまさにノラヤをやっている私が実感していることで、ノラヤに来る人は「何をやっている人なの?」「何が本業なの?」という人が多いです。いろいろやってる人が多いし、私自身もいろいろやる人です。なので「利用者の職業は何が多いですか」と聞かれると、困ってしまいます。
これは、そういう人がノラヤに集まるのだと思っていたけど、もしかすると、ノラヤがそういう個人を分人化させる場所だってことですかね?
普通に働いていると「個人」は「プログラマー」のように一個の肩書きしか見えませんよね。それなのにコワーキングスペースだと「こっちも得意ですよね?」と、「分人」がそれぞれ生きたりする。
「こっちも得意ですよね?」というやりとりが生まれるためにはやはり段階2の信頼を伴うコミュニケーションができてないといけない。段階1で表面的にしか知らないなら、名刺に印刷された職業の「個人」でしか、知り得ない。
となると、コワーキングスペース運営者が考えなきゃいけないのは段階2、信頼を軸とした安心してコミュニケーションが取れる関係をいかに醸成してくか。ですね。
ノラヤをオープンしてもうすぐ3年になろうとしていますが、「ダメ人間のためのコワーキングスペース」「ちょっと外れた人が集まる」などと言っていながら、やがていろんな人が来るようになってきたので、最近はちょっと考えてます。信頼できない人はフィルタリングしているつもりです。イベントも、あやしいものはしないようにしてます。サイエンスを1つの軸にしているのも信頼性向上になってるかも。
安心して来れるコワーキングスペースというのは、基本中の基本かもしれないけど、大事にしたいところです。
さて、こういう、コワーキングスペースの研究ってけっこうされているし研究成果もそれなりに海外も含め蓄積されていると思われるのに、その成果が見られるチャンスってあまりない。研究成果は運営に生かしたいのに。こうして書籍になるのは珍しいです。それとも、出ているのに私が見つけられてないのかな?
知ってたら教えてください!
コワーキングスペースは儲かるのか?2016年7月の売上公開
2016年7月の売上を公開します。
46,080円です。
オープン日は15日、うち2日イベント、利用者28人(複数回来訪を除いた純粋な訪問者数:23人)。
水曜日を定休にした上に個人的都合で何度か休みにしてしまい、オープン日は先月より5日少なく、イベントも「夏だから、うどんの会」と「WordPressもくもく会 vol.2」のみ。
当たり前ですけど、売上は大幅に減りました。回数券を買ってくれる方が2人いたので、ちょっと助かりました。
オープン日を減らしたおかげでだいぶ楽です。楽なので先月から売上1万円減ろうがしょうがないかという気分でいます。
多くのワーキングマザーが悲鳴を上げる夏休みも、なんとか乗り切れそう。
思ったんですよ。私はバックに大企業や国や自治体や助成金があるわけでなく、そういうのに一切頼らず成功している星野さん(7F)や田中さん(Co-Edo)を、目指しているんですよ……これでも
「コワーキングスペースで儲けようとは思っていないんです〜♪」と言う人より「コワーキングスペースだけで収益出てますよ?」という人の方に共感を感じてしまうというか、かっこいいなと感じる。
でも、みんな事情が違うわけじゃないですか。真似できないことがいっぱいある。
コワーキングスペースで収益出すならできるだけ多くオープンしなきゃダメだよね。当然。イベントもちゃんと定期的にやらなきゃいけないわけだよね、当然。
そういうことを、自分自身の生活基盤がしっかり保てていないまま真似しようとすると、やじろべえに不安定に荷を乗せすぎたように、ぐらぐらと揺らいでしまう。
荷を乗せたまま、基盤を安定させようと思いましたが、無理でした。
一人でコワーキングスペース運営しつつ自分の仕事するなんて、無理だとあきらめることにしました。私には、ね。他の人ならできるかもしれないけど。
そういうと「店番なんて暇そうなのに」って言われるんですけどね。気にしない。どうせどんなに言葉を尽くし説明したって聞く耳持たない人には伝わらないのだから。
「イベント増やすときついな…」と思った時は、素直に見送ることにしました。予定が入って、無理に行こうと思えばオープンできるけど、ちょっと辛いと思ったときは、あっさり休みにすることにしました。やじろべえの荷のほうを軽くすることにしました。
「コワーキングスペースだけで収益」は可能である、という実例を増やしたいです、願わくは。まぁ、その時は「ノラヤ」って形ではないかもしれないけどね。
これまでイベントごとにKPTやってきてノウハウもたまっているので、個人で、できるだけ費用を抑えてイベントやるマニュアルのようなものをそろそろ作って公開してもいいかもしれない。