仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

コワーキングスペースにおける「コミュニティ」って?

先日クラウドガーデンで店番をしていましたら、cocolinスタッフの方が利用してくださいました。その時色々話したんですが、
「どのようにコミュニティづくりの工夫をしていますか?」
と、尋ねられて、答えに詰まってしまいました。
コミュニティづくり……むむ。私は店番はしているけど、それだけで、積極的にコミュニティづくりのなにかを考えたりはしていなかった。IT関係の会社が運営メンバーだし、ITコミュニティである東北デベロッパーズコミュニティ関係の人が、プログラミングに関する勉強会や、イベントをやっています……と、その時はお答えしました。が、しどろもどろ。すみません運営者のみなさん。
その時に、やはりコミュニティがなくて、箱だけだとただの場所貸しになってしまうから、コミュニティづくりっていうのは大事ですよね、という話もしました。うん、そうですね。


前から、ずーっと考えつづけているんですが、コワーキングスペースにおける「コミュニティ」って、どういうのがいいんだろう?

cocolinは、最初からコミュニティ形成が重要と考えて、ドロップインはなし、入会に際し必ず面接があります。当初は「えっ、ドロップインがないの?間口を狭くするのってどうなんだろ?」と、正直思いました。でも、今となっては、「復興に向けてがんばる人、起業したい意識の高い人が、あの場所には集まっている、そういう情報やつながりが得られる」というイメージをしっかり形成しています。だから、そういうことに興味がある人はcocolinに行けばよい、と。すると、敢えて条件を設けて入り口を狭くするという方法もありなんだなと思えます。
ソシラボは、「夕飯どうしよう」という巨大なFacebookのコミュニティがバックにあります。業種を問わず、幅広く色々なイベントが次々に行われているのは、やはり巨大コミュニティの存在が大きいと思います。
というわけで、コワーキングスペースにおいてコミュニティの存在は重要なのは当然として。

一方、コミュニティの内輪感が苦手な人もいるわけです。少し前に「個人的な作業スペースを求めてコワーキングスペースに行ったら何か違った」ってブログが話題になったように、強硬なコミュニティは近寄りがたい雰囲気も併せ持っています。私も何度も言ってますが、内輪感は苦手です。

かといって、「誰でも歓迎、ばんばん場所使って!!」ってオープンにしすぎちゃうと、例えば「今日何時から勉強会があるそうです」「この団体ってなんなの」「さあ、しらなーい」という状態になって、あまりよろしくないわけで。
「今日何時から勉強会があるそうです」「この団体ってなんなの」「ああ、これこれこういうことをしている人たちでね…」「へぇー!こんなのあるんだー!」て会話が交わされるのが理想。

ほどほどにオープン、他者を無理やり取り込まない程度にコミュニティがある、っていうあんばいだとちょうどいい気がするけど、どうなんだろうな。

最近の私の考えですと。
万人向けの心地良いスペースは、電源つきカフェにまかせてしまって、コワーキングスペースは「人格」というか、「顔」がついてる、程度のコミュニティの個性はやっぱりあったほうがいいんじゃないだろうか。
ああこんな顔じゃぁ嫌いな人もいるだろうな、という部分がある程度あるのは、しょうがないと割りきって。
ただ、顔が全然みえないコワーキングスペースは、利用者が自分に合うのかどうか迷うので、何かの手段で、どんな「顔」かはわかるようにしたほうがいいと思います。

私が、リスペクトフォーエバーで自分の理想にいまんとこ一番近いのが、高円寺の「こけむさズ」。すごく、個性的な「顔」が見えるスペースだと思います。
来た人のコミュニティができていてFacebook上でも常に交流があります。中にどんな人がいて、どんなことをやっているのか無茶苦茶わかりやすい。いいなと思うのが、運営者メンバーがすごく楽しそうにスペースを使って仕事していること。運営者って結局、コワーキングスペースの「顔」の一部だと思います。その場にいて、その場が好きで使っていて、雰囲気を醸し出している運営者やコアメンバーの存在は、スペースが継続できるか否かに大きく関わっているんじゃないかな(あくまで想像です、ごめんなさい)。
もし、運営者が実業家か何かで、別に仕事を持ってて、そちらが忙しいのでコワーキングスペースにはあまりいないとしたら。「顔」の描き始めが、どこにもない。なんかイベントやっても、その時盛り上がるだけ。顔がなければ、怖がる人もいないから万人向けにはなるでしょう。でも、コミュニティはできづらいと思います。

いろんな「顔」のコワーキングスペースがあるから、自分に合うところを見つけよう…たくさんコワーキングスペースができたお陰で、それは可能になってきていると思います。
そして、1つの「顔」だけを見て、「あ、コワーキングスペースって全部、こうなわけ?」と判断しないでほしい。

仙台でもね、こんな地方都市にもう3つもあるんだ!って思われてるかもしれないですが、全部「顔」は違いますからね。
私は、全然違う「顔」を作りたいですよ。嫌いな人が多そうな(笑)。

というわけでコワーキングスペースにおける「コミュニティ」は「顔」、というのが私の考え。誰からも見えて、笑ったり喋ったりして、好きな人もいれば嫌いな人もいる。コワーキングスペースを思い浮かべたとき、なんとなく「顔」が見えるなと思ったら、そこにはコミュニティができているのかな。