仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

それでも「コワーキング」という言葉を使う理由

最近「仙台ではコワーキングは無理」ということをちらほら、聞くので、なにか書かねばと思って書くことにしました。

  • 敷居が高い。
  • 需要がない。
  • ビジネスとして成り立たない。
  • なにがいいのか、わからない。


それにプラス、少し前の、コワーキング&ノマド批判の流れは、まだ尾を引いているようです。
「軟弱者のすること」「しょせん井戸端会議」なども聞こえてきました。
残念、悲しい、いやそれより「知らないで想像で勝手なこといってんじゃないよ!」と、怒りたくなります。
東京のコワーキングスペース行ってみれば、思い込みがガラガラと崩れるのに……。


しかし、これこれこういう場所が欲しい、作りたい……という声は、相変わらず、あって。

  • 「気軽に集まって勉強に使える、場所が欲しい」
  • 「リラックスした雰囲気の場所で定期的にイベントやりたい」
  • 「学生も社会人も、いろんな人が立ち寄れる場所」
  • 「仕事だけじゃなく、使える場所」

え、だからそれコワーキングスペースでしょ?って思うけど、どうも「コワーキング」って言葉に抵抗があるみたいなんです。だから、あえて、電源Wifiカフェ、交流カフェ、コミュニケーションカフェと名乗りたい……と。

コワーキングスペースって、起業家や自由業の人や、意識の高い人が集まって、激しく討論したり、未来のことを考えたり、パソコンに向かってカタカタやったり、新しいビジネスが生まれたり、そういうイメージがあるんでしょうか。そういう場所だったら私も、敷居を高く感じるかも……
もちろんそういうコワーキングスペースもあっていいと思いますが、そうじゃないコワーキングスペースもあっていい、いろいろ個性のある場所があるから面白いんじゃないかなと。


でも、なにやってるのかわからない、あやしい、怖い……って気持ちは、あるのかもしれないですね。
PAX Coworking入居者の藤木さんが、以前コワーキングスペースにもっと気軽に来れるようにするためにはどうしたらよい? 」というアイデアを募集していました。
http://bla.bo/boards/96
やっぱり敷居の高さをなんとかする、最初の一歩を入りやすくする工夫がみんな欲しいと思っているんですね。
出されたアイデアを見ると「え、いや、それ既にやってるとこあるよ!!」というのがけっこうあって、あーほんとにコワーキングスペースの中でやってることって、知られてないんだなぁと、考えさせられました。


コワーキングスペースでは、いろんなことが行われてます。
ボードゲーム、ワイン教室、プリン作り、Tシャツづくり、ベビーマッサージ、CoderDojo(子供向けプログラミング)、宴会。
セミナーやってもいいし、学生が来てもいいし、社会人も、会社員も。
そういう、どんな人がいるか、なにやってるかわかる透明感を、地道に発信していくしかないのかなぁと。


コワーキングは実は、身近にあります。
例えば、私がいちばんコワーキングっぽいと思っているのが、片平堂さん(id:yuichi_katahira)のオープンアワーです。喋ったり、開発したり、文章書いたり(私)、帳簿つけたり(私)。まったりして気分良く、でも、一人で家にいるよりずっと集中できます。私も時々お菓子を差し入れしたりして。
カフェで集まって、もくもく会、なんていうのもあります。
スタバで二人でなんとなく話しながら一緒に仕事とか勉強していても、それもコワーキングっぽいことだと思います。
コワーキングは特別なことじゃなくて、どこでも転がっているものだと思っていただければ……無理があるかなぁ?


周囲の人に敷居が高いと思われるなら、敢えて「コワーキング」と名乗らない。仕方ないことかもしれません。
でも、私は「コワーキング」という概念を広げたいので、敢えて使ってその言葉の知名度を上げていきたい。Jellyも、耳慣れない言葉かもしれないけど、敢えて使うようにしています。
それに、こういうこともあります。

松田 僕はコワーキングをしている人に、すごく仲間意識を持っています。去年、オランダからパックス・コワーキングにぶらりと来てくれた人がいたんですけど、オランダでコワーキングスペースで働いているんだよって話を聞いたら、初対面でも「仲間じゃん!」とすぐ打ち解けられて。多分、コワーキングをしてる人には世界中どこでもそういう共通認識があって、それってすごく面白いことだし、「自分は一人じゃないんだ」って思えることがいろんな人の支えにもなると思うんですよね。

藤木 そういう意味では、コワーキング自体がコミュニケーションのキーになっているんですよね。たとえばノマドをやってる人が、「あ、君もノマド!?」とカフェで握手して盛り上がるかと言ったら、そうはならないでしょうし(笑)。

つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)
p.178-179より

「コワーキング」という言葉で全国の、世界の、コワーカーが「あ、コワーキングしてるの?」って、仲間になれる。あ、そういうスタイルでやってるのね、って、握手できるわけですよ。
「仙台にコワーキングスペースあるなら、仙台に行ってみようかな」と、他地域の人が思うかもしれない。
実際に、新潟のJELLY JELLY CAFE NIGATAプロデューサの西村さんはそういう旅をしています。東北にも来てくれるそうですよ!
コワーキングスペースどうし、他地域に旅行してスペースを利用する合宿なんてのも。(タネマキのJust Do(土)It. in 新潟とか。)いろんな地方にコワーキングスペースができた、今だからこそそういうのができるようになったんです。
だから、「コワーキング」って言葉をつかうと、地方だからこそ、いろいろおもしろいことが起きると思うんだけどなぁ。



ところで、ひとつ申し訳ないなーと思うことがあります。
それは「仙台 コワーキング」で検索するとことごとく出てきてしまうこのブログの主が、よくわからない人なので、もしかしたらコワーキングの評判下げているのではないかと……。ええ、起業家でも社長でも、実績を上げているエンジニアでも、仙台で知名度のある人でもない、ただの、無名の兼業主婦。
そんな人が「コワーキング楽しい!しようぜ!」なんて言ったって説得力ありませんわ、ね。
偉くもないですが、あやしくもないことは、まぁ本人を見て判断してくださいってかんじでしょうか。それでもあやしいと思われたら仕方がない(笑)。