仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

コワーキング本「つながりの仕事術」はコワーキング体験できない地方在住者にこそおすすめ!

初のコワーキング本が発売されました。

つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)

つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)

著者の佐谷さんは私がはじめてコワーキングを体験しにいったPAX Coworkingのオーナーさん。藤木さんはそこでお仕事している方。中谷さんは「どこでもオフィス術」という本でノマドワーキングについて書かれていた方です。

コワーキングって、なんなの?ノマドとどう違うの?シェアオフィスとどこが違うの?どんな人が使ってるの?仕事ってみんな何をしているの?運営ってどんな人がやっているの?
興味があるけど、よくわからないので、頭の中で悶々と考えている方、多いと思います。写真を見てウェブで調べて、想像して。いやいや、実際に行ってコワーキングスペースでコワーキングしてみるのに勝る経験はない!と、私も含め、多くのコワーキング経験者がそう言うでしょう。でも、そんなこと言ったって仕事が忙しいし、遠い東京や大阪に気軽には行けない。
そんな方に、この本を読んで欲しいと思いました。かなりのコワーキングに対する疑問が解消されます。

私が読んでまずびっくりしたのが『シェアオフィスは入居者同志の交流が図れて人脈ができる、と謳ってはいるものの、実際入居してみたら、交流らしいものはほとんどなかった』という体験は、私だけじゃなく多くの人が経験しているらしい、ということ。
やはりそういうところは「場所」「設備」先行で考えて作られたからだと思います。便利でかっこよくて安い場所を作ったから、入居者は勝手に交流してね、では何も生まれないでしょう。
コワーキングは「場所」ではなく「人」という点が本書では度々強調されています。しかもオーナーがコワーカーと同じ場所にいて、雰囲気を作って(醸しだして?)いることも多いです。オーナーがほどほどに働きかけて、互いを尊重し、空気を読み、違うOS(!)をもつ人たちが過ごしている。そういう雰囲気だからこそ、仕事のコラボも生まれるという状態まで行けるんでしょうね。
この本でのコワーキングスペース紹介では、「場所」の詳しい紹介より、「人」、つまり、オーナーが設立した経緯や、どんな人が集まりどんなことが行われているかに重点が置かれています。(場所の詳細はググればわかりますからね!)ひとつひとつにストーリーがあり、読んでいると、行きたくてうずうずしてきます。

そして、以前からそうじゃないかなと思っていたんですが、改めて、コワーカーは家族を大事にしたい人が多いのだな、と感じました。ちゃんと家族との時間も過ごして、ちゃんと仕事もしたい。でも従来の働き方ではどちらも満足行かない。それをなんとかできないかという問題意識を持った人が、その答えを模索してスペースを運営しているケースもあるんです。多くののコワーキングスペースが日曜休みで深夜営業やってないのは、ワークライフバランスと人間らしい健康的な働き方を意識しているからなのかな、と、勝手に想像しました。だとしたらとても共感するし魅力的だと思います。

最後の座談会で、今後、必ずしも都会の便利な場所ではなく、郊外や地方にコワーキングスペースができることについての期待が語られていました。ちょうど今日、コワーキングビザJPについての発表がありました。全国の連携コワーキングスペースを優待利用できるという仕組みです。スペースごとに人が固定してしまうのではなく、いろんな人が行き来するよう流動性を高めるのが狙いだそうですが、効果はもっとたくさんあると思います。いろいろなところに行って、「あ、こういう働き方もありかも」と、いろんな可能性を見つける機会になったら、みんなもっと楽しく仕事できるようになるんじゃないでしょうか。