仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

僕らはいつまでコワーキングスペースをわけのわからない存在にしているのか

今回のブログは、こちらに参加しているエントリです。

www.adventar.org

 

前回は電源カフェbeez運営者、新谷 昌彦さんの「銀座店閉店までの四苦八苦」でした。撤退基準を決めるとか、しんどい時の心の保ち方とか、かなり響いて来る内容でした。

 

はじめましての方、はじめまして。宮城県仙台市コワーキングスペース「ノラヤ」を運営している宗形です。

当初の予定では「たくさんの人に頼り始めた話」をテーマに、ここ半年程のことを書こうと思ったのですが、要約すると「利用者のみなさんのおかげで運営者助かってますありがとう、ノラヤ素晴らしい」で済みそうだし、そんな毒にも薬にもならない内容でいいね!30くらいついて自己満足にしかならないと気付いたので違うことを書きます。

 

僕らはいつまでコワーキングスペースをわけのわからない存在にしているのか。という問題提起です。*1

コワーキングスペース、なにそれ。そう言われた時に、相変わらず運営者は説明に四苦八苦してしまいます。

そしてその良さもなかなか伝わりません。利用しに来てくれたら、わかるのにねってことになります。

前回、酒田でのコワーキングサミットについてブログで書きました。やっぱりコワーキングスペースについての説明のしづらさが話題になりました。

いずれ浸透するのかな、とか。地道に運営していくしかないかな、とか思っていました。でも、ふと先日、昔のブログを読んでいて気付きました。

sendaiworkspace.hatenablog.com

これ、2012年に書いたんですけど、「怖ーキング」とかくだらないこと言う人は最近は見かけなくなりましたけど、このブログの後半、(「だから、今仙台で必要なのは、……」以降)今でも同じなんじゃないか?と思いました。

どのへんが、というとコワーキングがなんかすごいことみたいに取り上げられるのとか。起業家ばっかりいると思われてるのとか。自治体などがなんだかよくわかんないけど期待して予算つけるのとか。そういうことにたいするもどかしさ。

3年経っているのに。

 

そして「コワーキング」という言葉が、いいように利用されていないか?と思ってます。「コワーキング」ってつければ人が釣れる。みたいな。

昨日もこんなことがありました。とあるクラウド会計ソフト運営会社が作ってるブログ。フリーランスコワーキングスペースを利用することについて書かれた記事で、「コワーキングスペースは月額制で借りられるオフィスのこと。」なんて書いていたのを読んで「はぁ?違うわ!」と叫んでしまいました。記事は設備面が中心の記述でコミュニティの一言もありません。コワーキングって言葉で検索してくる人を狙ったんだろうと思います。*2

仙台でもコワーキングという言葉を冠して中身は……………な所もあるし。

そのうちどっかの会社が「認定コワーキングスペース基準」とか勝手に作り出して「認定マークのために数十万セミナー」とかやりかねないな…と、ふと頭をよぎったり。

 

コワーキングのなんでもありな限定しない良さもあります。だからこそノラヤみたいなスペースも存在しつづけることができます。

それでも、うまく言葉で表現できないんだけど、これがコワーキングなんだよっていう、多くの運営者が持っている理念があると思います。

 

これまでも、コワーキングの先駆者の皆さんが、コワーキングについて講演したり、雑誌出したり、ウェブ媒体に取材されて喋ったりしています。このアドベントカレンダーを含め、運営者の方々もいっぱいブログ等でコワーキングというものを伝えようと、いろんな努力をしてくださってます。でもなんだか、その情報って前から興味関心ある人の間でぐるぐる回って、外まで伝わらないような……

 

なんで「コワーキング」って、いつまでも「わけのわからない」ままなんだろう。

多分、まだまだ足りない。もっと伝える手段が、なにか見落としてるやり方が、あるように思います。

 

私自身は、もっとコワーキングに関する理解を深めてもらえるようなコンテンツを作って発信していきたいと思います。

いまでも、ノラヤのいろんなことはなるべくfbにも上げるし、イベントやったらレポートを毎回書いてWebに載っけてます。でもそういう自分とこのコワーキングスペースの情報発信以外で、もっとコワーキング全体に関して貢献できるような、なにかできないかなと思いはじめました。*3

運営者のみなさん、もっと発信しませんか!

でも、コワーキングスペースの運営は大変です。たいていの運営者は別に事業やってます。忙しいですよね。私は(比較的)暇なので、なんか作りたいです。

 

山形では、「gatta!」というフリーペーパーがあって、そこでコワーキング特集が組まれました。このフリーペーパーのCMがTVで流れて、山形ではテレビから「コワーキング」という言葉が流れたそうです。

これすごいなと思いました。 

 

もっと人の口から「コワーキング」とか「コワーキングスペース」って言葉が出て来て、そのへんから聞こえて来るのが、当たり前になってほしい。妙な気概や心構え、照れもなしに。自然に。「スタバ」とか「コンビニ」みたいに。

そのためのなんかを用意しておかなければなーと思いました。なんかってなんだろう。

 

これから考えていきます。一緒に考えましょう。

 以上です。

 

コワーキングスペース運営者限定AdventCalendar2015、明日は大阪のオオサカンスペースの草野さんです!

*1:タイトルは『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』(荻上チキ著)、にインスパイアされたものです。あまり似てませんが

*2:こちらの記事はtwitterで意見を言ったら取り下げるそうなのでリンクしません

*3:なおコワーキングスペース運営のフィクションも描きましたがこっちは手段が若者向けだったし、内輪受けっぽく終わってしまった