仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

大宮のコワーキングスペース「7F」に行って「コワーキングスペースの本音!1年やってみて思う事」を聞いてきた

2/22(土)、大宮に行ってきました。すごく盛況であるとの話題の大宮のコワーキングスペース「7F」。そこでコワーキングスペース運営希望者向けに、星野さんがこれまで運営してきて思うことを語るというイベントがあるので参加してきたのです。
コワーキングスペースの本音!1年やってみて思う事


私は、参加資格の「これから運営する人、運営に興味がある人」ではなく「すでに運営している人」なんですが、7Fに行く口実が欲しかったのと、群馬でコワーキングスペース準備中で以前からFBではいろいろ親しくさせていただいている、堀越しのぶさんにご挨拶したかったのと、星野さんの話を聞き7Fの様子を見て、とにかく刺激をもらいたいなぁという目論見があって、行ってきました。

ここでは、前のエントリで紹介した、コワーキングカフェ「mag」準備中のwolfさん夫妻とも会えました。ちなみにwolfさんたちは翌日東京のコワーキングスペースめぐりをされたようです。
7Fは、ものすごい人口密度でした。圧倒されました。この日は特に多かったそうなんですが、どのくらいかというと、仙台だとクロスコミュニティ忘年会の人口密度に近い状態でした。集中席もデスクもほぼ埋まってましたね。そして奥のほうには懐かしい高柳さんが。AWSのイベントだったそうですね。思いがけず再会できて嬉しかったー。

さて星野さんの講演。1年間コワーキングスペースを運営してきてどういうことが起きたか、どう思ったか、今後どうしていきたいかという実体験ベースのお話で、大変興味深く聞きました。うんうん、あるある、とうなずけるところもあり。へぇーとびっくりすることもあり。ノラヤでもあったらいいな、と思うこともあれば、ノラヤでは無理だな、と思うこともあり。(むしろ正直、後者のほうが多かった)星野さんが主体的にあれこれ企画して動くというより、周囲に大きな流れが次々起きて、いろんな人がどんどん集まる場所になって、その集まった人がまた人を呼んで……という風に成長して行ったという印象を受けました。そういうの、理想的ですよね。


一番印象に残ったのが、最後の質疑応答に関連して星野さんが話された「成功するコワーキングスペースの条件、そしてつぶれるコワーキングスペースの特徴」。
非常に、グサグサグサグサと刺さりました。この部分の詳細は多分オフレコだと思うので控えますが、「つぶれるコワーキングスペースの特徴」に、ほぼ全て、ノラヤの現状が当てはまる(笑)。実感しましたね、成功するコワーキングスペースはだれでも運営できるものではないと。この点については誰もまだはっきり言ってない気がするので禁断の「コワーキングスペースをちゃんと運営できる人の条件」みたいなネタをそのうちブログに書こうかと思ったりしました…おそらく、成功しているスペース運営者がそういうことを言うとちょっとあれなんで、成功していないスペース運営者が言う分にはいい気がする……。

ある程度大きい駅のそばにあるスペースは成功しやすい、でも、多少不便な場所にあってもうまく行っているスペースは、運営者が特徴的で、主体となっていろんなことをやっていれば成功する……という分析には、数々の実例を思い浮かべて、なるほど確かに!と思いました。ノラヤが狙うとしたら、そういう方向しかないですね。
本当にいろいろと刺激をもらえたお話でした。

で、やはり、これからコワーキングスペースを運営するとしたら、「つぶれる」ことを誰もが念頭に置かざるをえないんですね。
3年前、私が初めてコワーキングコミュニティに出会った、PAXでの運営者勉強会の希望に満ちた空気感とはやっぱ変わったなーと思わずにはいられません。
もう一つ印象的だったのが、ですね。
「スペースが無くなってしまった」という話が出ると、参加者の間から笑いが漏れるんですよ。ふふふって。ああ、みなさん、つぶれるってことがどんなに大変なことか、まだ他人ごとなんだなと、思いましたね。ここが運営者と運営希望者の違いか、と。
皆さんありがとうパーティーを開催して円満閉店できればいいけど、けっして全てがそうではない。2012年の仙台初のコワーキングスペースもそうとは言い切れない状態でクローズしてしまったのはこのへんを読めば想像できるし(私の視点からはまたちょっと違うんだけど)、急に誰も詳細を知らないまま連絡取れなくなって閉めちゃったスペースもあるみたいだし、最悪、立つ鳥後を濁しまくって人間関係とか家庭とか精神とか健康とかいろんなものぶっ壊してしまうということが起こりうるわけで。覚悟しなきゃならんのですね。
前例のないとことでがんばってくださってその結果、閉店ということになってしまった方々には、届かないけど、感謝したいし、お陰でいまがあるんじゃないかなと、思いますよ。私は。
仙台は、コワーキングにはなかなか厳しい場所と言われます。「コワーキングはニーズがない、駄目だ、やってけない、人がいない」ってのは、2012年当時も3年経った今も良く聞きますね。もっとも2012年ごろのノマド・コワーキング批判みたいなのは、もう見なくなったかな。それでも、今でも「へぇ、コワーキングスペースって言うものがあるんですね」「仙台にコワーキングスペースなんてあるんですか!」的な反応を散見するので、仙台のコワーキングスペースの歴史も知らない人は知らないし、いろいろ、人は変わっていって、状況も変わっていく。希望は持ちたい。しかし希望だけじゃどうにもならない。

なるべくなら、つぶれたくないけど、そういうことになったら、円満閉店、したいですよ。(気が早い)その時は私の屍を乗り越えて行く人の糧となるよう、置き土産はいっぱい残したいですね。このブログとかに。
とにかく、改めて、「…うち、……やばいよなぁ…は、は、は…」と思いましたね。

話を戻して、大宮の7Fですが、勉強会の終了が遅くなったためせっかくのスペースを満喫することなく、ささっと帰ってしまうことになってしまいました。とても残念です。「ここに長い時間いたいなぁ」と思わせる活気と居心地の良さ、そしてスタッフの方の素晴らしい対応(受け答えも気配りもすごい!できる!ってかんじ)がほんと良かったです。仙台の人で7Fを知る多くの方が「こういうスペースが(仙台に)欲しい」と言われるのが、よくわかりました。私も欲しいです。
今度は長い時間、ドロップインして、じっくり観察しつつ仕事したいです。