読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」管理人ブログ

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

1/28(月)とうほくあきんどでざいん塾(仙台・TRUNK)のセミナーでco-baの運営者の方が講演!

朝、今日は家にこもって作業するかなーと思ったら、本江先生のツイートでこんなイベントがあるのを知りました。

ワーキングスペースをつくろう研究会としては行かずにはいられないじゃないですか。しかも、夕食つくる時間まで戻ってこれるし!
このイベントは、「とうほくあきんどでざいん塾」のセミナーの1つでした。とうほくあきんどでざいん塾とは、仙台市若林区卸町のTRUNKというクリエイター向けシェアオフィスを中心にしたプロジェクトで、地元中小企業と仙台のデザイナーをつないで、デザインのちからで商いを活性化させようという取り組み…だそうです。(詳しくはこちら

今回、co-baの運営者である、「ツクルバ」の村上浩輝さん、中村真広さんがいらっしゃるとのこと。
co-baは、デザイナーや最先端技術の集積する東京渋谷のコワーキングスペース群の中でも、圧倒的な会員の多さ、独自のユニークな取り組みで知られています。そんなコワーキングスペースの運営者の方がわざわざ仙台に来てくれるなんて。凍結する道を自転車を飛ばして、TRUNKに行きました。
http://tohokuakindodesign.jp/event/992/#c0128

それにしても、この情報、デザイナー向けと思ってスルーしてしまうところでした。仙台のコワーキング関係者にもぜひ聞いてほしい内容でした。こんな貴重な機会ないですよ。なので、このブログでレポートします。


co-baの運営会社「ツクルバ」は、「場を作る」のがミッション。建築、不動産出身の若い二人からスタートしたツクルバが、新たな「場」であるco-baをどのように作っていったか、どのように運営しているか、どんな展開を見せているか……というお話をうかがうことができました。
コワーキングスペースを作るにあたって、海外の様々なコワーキングスペースを見に行ったそうです。海外のコワーキングスペースって、キッチンがあるんですよ!一緒にごはん食べるのは大事、さらに「作る」とこまで一緒にすると、もっと仲良くなる気がしますね。ケータリングや持ち寄りに比べて「同じ釜の飯を食う」感があると思います。
そして、co-baのコミュニティづくりをする際に、参考にしたのが中原淳先生のこの本。

1. 主催者がロールモデルを示し、場所でのふるまいを方向付ける
2. 場が暖まってきたら、参加者がメインで主催者は一歩引く
を心がけているそう。
1.は、こけむさズで試しているアフォーダンス実験にも似たようなことが書いてありました。中の人が率先して「こうやればいいんだよ」と示すことが第一歩。この本、参考になりそうなので是非読んでみたいと思いました。

co-baを運営しながら、スタッフがコワーキングスペースにきた人たちを「スナックのママ的」ふるまいでつなげていたけれど、人を介すのではなく他の手段で人をつなげることができないか?と考えたそうです。そして「本でつなげてみたらどうか」と、できたのがco-ba library。ここは個人ごとに一つの本棚が割り当てられて、そこに自分の本、名刺を置いて、貸し借りができます。本棚ってその人の素が表れる。なんの仕事してるか、何に興味あるか。なんとなく本棚を眺めているだけで、人の顔が見えてくることでしょう。面白いですねぇ。黒板にスリットをつけた棚を儲けたり、テーマに沿った本のイベントをやったり、楽しそうです。

そして、co-ba運営のポイント5つを教えていただきました。これが個人的に一番ためになりました。
1. Open Proccess
作っているプロセスを公開する。
資金集めはクラウドファンディング、施工の様子までUstream。いろんな人がtwitterなどソーシャルに参加することで、当事者間をもってもらえます。
工事をUstはすごいなあ。でも、プロセスをオープンに、は、自分でもやりたいと思ってました。ただの箱だったところがこんなに…っていう成長の過程を可視化しとくと、たとえネット越しでも見守ってた感ができるんじゃないかと思うから。

2. Open End
サービスの利用者が参加できる「余白」を残す。竣工時に完成しすぎない。できすぎてないところにみんなが参加する。
co-baってすっごくオシャレでかっこいい空間のイメージがあるんですけど、実際スタートした時としばらく後の写真を見ると、そのイメージは利用者が参加してつくりあげたものだとわかります。
これも真似したいと思いました。あまりに出来過ぎで立派すぎる空間は、人がよりつく所、とっかかり、がなくって、ええっと、じゃ、自分はいいです……ってなるから。

3. Good Noise
普段は自分の興味に基いて情報収集するし、Amazonなどでも、うまいこと分析して自分好みの情報が出てくる。でも、なんだかそれって予定調和。ノイズによって予定調和をこえたい。ノイズによって予期せぬ成功を起こしたい。
例えばコワーキングしてると、隣でブレストしているのがなんか耳に入ってくる。それが自分の専門外のことだとしても、小耳にはさんだことが、別のところで役にたつこともある。
これは本当に、コワーキングのメリットですねー。

4. "CO"Gradation
コワーキングスペースって「コラボレーション前提のところでしょ」と言われることが多いけど、人が集まっているからって必ずしもコラボレーションしなくてもいい。そこにいるだけでもいい。
「共有」の3ステップ―comunication, collaboration, copresence―いろんなレベルがあって、それでいい空間。

5. Social Capital
私はこの言葉を知らなかったのですが、「人間的資本」というのでしょうか。この場所から良質な人間関係を築くことができる、という話だったと思います(このあたり別のことしていたのでメモが不十分ですごめんなさい)。

ほかにツクルバでは、お酒を持ち込んでシェアできるお店の1K、1法人1テーブルのten-to(もうすぐオープン)などをやっています。いろんなものを「自分ごと」にする、social capitalをdevelopmentする、それがツクルバ。
「自分ごと」にする、って端的だけど、とても大事で面白いことだなと思いました。しょいこむんじゃなくいろんな人がちょっとずついろんなことを「自分ごと」にしていけたら、世の中ずいぶん変わるんじゃなかろうか。


co-baのお話の後は、不動産プロデューサの荒井昌岳さんのお話がありました。硬すぎた不動産を柔らかく、という言葉どおり、空き物件をびっくりするような、でも詳しく聞くと納得できるすごく面白い手法でアピールして、蘇らせて、活用する、様々な事例を紹介してくださいました。
物件を「物件さん」と人格を持たせて(いや、人格を読み取って?)魅力を引き出していく、荒井さんの愛を感じました。
面白かったのは、家賃交渉をプレゼンで行うというRENTRY。入居者がいないからと適当に値引きしてしまっては、他のテナントとの不公平感がある。そこで入居したい人が「こういうことをやりたい、僕はこういう仕事をします」とプレゼンして、それで貸主さんが「よし、じゃぁ」と家賃を決めるのだそうです。これなら値引きの根拠もしっかりできるし、ちゃんとプレゼンできるような意識の高い求心力のある入居者が集まると。ギスギスした家賃交渉が、いい関係構築の場になるわけですね。
他にも、休日不動産、未稼働物件のイベント活用やレンタルスペースへの活用、など、たいへん興味深い話でした。


講演のあと、質疑応答がありました。
コワーキングスペースについては「ブームでスペースがたくさんできて、これからどうなっていくのか」という率直な質問に対し、講師の方々はこのように語っていました。
コワーキングスペースはどこも運営が厳しく、ブームでたくさんできたけれど、運営できなくて潰れるところも出てきている。商業ベースで考えれば、成立しない。個人商店のような小さい事業主が集まってスイミーみたいになれる場所がいいのではないか。思いがある施設じゃないと成立しない。モチベーションある個人のコミュニティだからこそ続けられる。」
荒井さんの「物件さん」にもからめた話で、
「シェアオフィス、コワーキングスペースも、人格がある施設。運営者一人が違うだけでそこは、違うコンセプト、違う人格になる」
という言葉には、なるほどその通りと思いました。
これまで行ったコワーキングスペースを思い浮かべると、擬人化できるぐらい人格を思い浮かべられるところのほうが、愛されて、いろんな人が寄り付いているイメージがあります。(キャラクター作ってるとこもありますね。そういうの重要かも)

商業的成功を見込むより、個人がモチベーションを持ってやるなら続けられるのでは…という言葉には、とても勇気づけられました。

このイベントでは、卸町(TRUNKのある場所)の街歩きを講師のみなさんと一緒に行なったそうです。駅からも遠く立地としては決して良くない卸町の魅力をどう見出して活用していくか。前にも書いたけどコワーキングスペースが町の価値を作り出すということはあると思うので、商業的には厳しいけどやってみようという個人の集まりが卸町らしい人格があるスペースを作ったら、面白そうだなーとは思いますね。駐車スペースが余裕で取れるとか…便利な町中にはない魅力もあるとおもうんで。

とうほくあきんどでざいん塾の次のイベントは2/8(金)、「地域を変えるデザイン、ビジネスを変えるデザイン」というテーマで筧祐介さんが講演されるそうです。会場でチラシをいただいたので見たら、ちょうど読んでいた本の著者の名前(山崎亮さん)があって、びっくり。「ソシラボ」で借りた本だったんでなんか縁を感じました。デザインの話ですが、興味深いです。ちょっと行ってみたい、かも。