仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

ネコワーキングに行ってみた

東京周辺コワーキングスペースめぐり、最後は水道橋のネコワーキング。ネコワーキングに来るのはとても楽しみでした。ネコがいるワークスペース!看板猫のいる仕事場や事務所っていいなと思ってたんです。

広瀬さんとやり取りしたときに「これも見てください」と宿題をもらっていました。いくつかのコワーキングスペース運営者にじっくりヒアリングをした記録があります。すごく参考になりました。全部見ると長いですが、コワーキングスペースを作りたい人は必見ですよ。

オーナーの広瀬さんには、私の帰りの新幹線の時間を常に気に掛けてくださって、その上で、たくさんのお話を聞かせてくださいました。
とにかく、この場所は「ネコがいちばん偉い」と、広瀬さん。入り口も二重になっていてネコが出てしまわないよう細心の注意が払われています。

中は、かなり広いです。靴を脱いで入ると、敷き詰められているのは杉のタイル。壁は、しっくい。すべて自分たちの手でやったそうです。「ネコが快適に過ごせるように天然の素材を使ったら、人間にも優しいスペースになるんじゃないか、と。」たしかに、足の裏の感触がタイルやカーペットと比べて心地良いです。夏だったらもっと気持ちよさそう。
二匹のネコは、中央の大テーブルの上にある、猫用ベッドの中でくっついて寝ていました。ちょっとだけ頭を上げて、こちらをうかがって、すぐ寝ます。か、かわいい。(すみません、フラッシュでびっくりさせたくなかったので写真ありません。ネコちゃんたちのかわいさは、ネコワーキングさんのサイトでご確認ください)
中央の大テーブルの他に、窓際の横並びの席、小さめテーブルなどあります。席数はけっこう多いです。また、会議室はおなじ部屋ですが、天井からネコの顔の形をしたプラスチックの板を吊るして、仕切ります。で、その仕切に「○○で使用中」とか書いておく。ユニークです。また、集中するための別の部屋も。こちらは川に面していて、春になると川沿いの桜が見れるのだそうです。いいなぁ。


ところで、広瀬さんはネコ好きだからネコのいるコワーキングスペースを作った、というわけではないそうです。意外でした。
コワーキングスペースは敷居が低いからいろんなところが参入してくる。ここ最近でも、ものすごい勢いです。その中で、どうやって特徴を出していくか?考えていたときに、ある人が『ネコがいるといいんじゃないか』と。」
他のコワーキングスペースと異なるところは他にもあって、敢えてIT関係の人は4割に抑えているとのこと。コワーキングスペースというとどうしてもプログラマーウェブデザイナー、クリエイターが多くなりがち。しかし、本業は地域活性化を請け負う会社をしている広瀬さん、これまで東大生の天文部と和菓子屋さんのコラボなど、普通じゃないような組み合わせで面白いものを生み出してきたそうです。「プログラマと、データベースエンジニアと、デザイナーがコラボして…だと、普通でしょう?」確かに。思いもよらなかったものを生み出すためには異業種が混ざるようにしたほうが、絶対面白そう!実際に私と広瀬さんがお話をしている間にいらしたのは劇作家の方でした。ネコワーキングの中でシェア大学をやっているそうです。

「ネコワーキングは、自分が欲しいものじゃなくて、まわりが欲しいものを作った。スティーブ・ジョブズのような天才タイプなら、自分の作りたいものを作ってそれが売れるけれど、自分はそんな才能は持っていない。だから『どんなのがいいですかねー?』といろんな人の意見を聞いて、この場所を作っていきました。ネコも、内装を天然のものにしたのも、すべて他の人のアイデアです」
なるほど。私も、自分の思い通りに作りたいという気持ちもあるけど、やっぱり、どんな場所が必要とされているかを、ちゃんといろんな人に聞いていかないといけない。
そこで、「私もそうしたいですね。仙台で私が『つくろう』と表明したら、けっこう『自分もつくりたい、いま準備している』という反応があったんですよ。だから、これからそういう人たちや『欲しい』という人たちに会って、話を聞いていきたいですね」と言いました。
すると、「ヒアリングをする時に、この本が一番参考になりましたよ」と、本を紹介していただきました。早速注文して今届くのを待っています。(MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術

広瀬さんと真面目に話している間にも、寝ていた二匹のネコは起きあがり、広瀬さんのところでごろんとなったり、とことこ歩きまわったり、光栄にも私のジーンズに手をかけてがりがりしたり、また机の上のベッドに戻って寝たり。きままに過ごしていました。ネコちゃんのふとしたそういう割り込みがあると、すごーーーく和みます。

あっという間に時間はすぎて、私はネコワーキングさんを後にしました。とても、楽しい時間でした。
仙台では、まだ「コワーキングスペース作ろう、作りたいな」の段階ですが、東京ではもう「たくさんできすぎて、何か特色をだしていかないと」という状態になっている。仙台でもあと半年もしたらそういう状態になるかもしれない。最初から想定しておかなければならないな、と帰りの新幹線であれこれ考えました。