仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」戦う管理人

仙台市青葉区、地下鉄北四番丁から徒歩8分のコワーキングスペース「ノラヤ」を運営している人の赤裸々なブログ。

盛岡で2ヶ所コワーキングスペースに行ってきた

先日帰省の途中で岩手県盛岡に寄り、2ヶ所のコワーキングスペースに行ってきました。

1か所目は、盛岡の川村さんが運営している「コワーキングスペースもりおか」 。

川村さんは私と同じく、個人でスペース運営をしています。助成金など受けず、うしろだてもなく、お金もたくさんあるわけではなく……でも、コワーキングスペースについては日本における黎明期からずっと勉強している方です。

盛岡にコワーキングスペースを作るんだという一念で、これまで何ヶ所か場所を変えコワーキングできる場を作り、私も3回にわたり訪問しています。

  

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現在はとあるビルの一階にスペースを構えています。こちらです。

 

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「広くていいなぁ……」が、第一印象。ノラヤの倍の広さです。

「なんすかーこれ、テント張って暮らせるじゃないですか」

などと、自分基準で見てしまう私。

「でも私はノラヤぐらいの広さのほうがいいですよ」

と、川村さん。

複数の広い机、ホワイトボードもあるし、当然電源とWifiもあります。設備上のいろいろな制限もありますが、デスクワークには問題ないかんじ。

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定期的に異業種交流Jellyも行っています。無職の方はそれを証明できれば無料、という仕組みもあり。すごいなぁ。残念ながらノラヤはそこまでできない……です。やはり川村さんの信念があるからこそできるのだと思います。

発達障害の方が集まるイベントもあるそうです。

コワーキングスペースもりおかのウェブはこちら。

co-morioka.jimdo.com

Facebookで頻繁に情報を更新されています。

ところで私はこの日、誕生日だったのですが、川村さんにケーキごちそうになりました。綺麗な抹茶のケーキ。美味しかったです!ありがとうございました!

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そしてスマホの充電とPC作業のあと、次の目的地へ……

 

次はこちら。「コワーキングプレイスArukoko」さん。

arukoko.biz

「コワーキングプレイス」って初めて聞きました。全国で「コワーキングプレイス」と名乗っているのはここだけのようです。なぜこのような名前なのか、機会があったら聞いてみたいです。

こちらのサイトはまだ工事中が多いようなので情報はFacebookを見たほうがいいかも。

Arukokoさんは、数日前に利用予約をして解錠の手順をメールでもらいます。リクルートIDがあるとべんり。)ふらっと利用できないのは不便かもしれませんが、一人でスタッフが店番する場合この仕組みは安心かもしれませんね。

場所はアーケード街のある中ノ橋のビルの二階。あとで気づいたんですが、以前うかがったフキデチョウ文庫のすぐ近くですね!

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二階にあがり、ここが入り口です。スマホから解錠手続きをするとドアが開きます。

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コンクリート打ちっぱなしのひろびろとしたスペースです。蛍光灯に覆いを被せて光を柔らかくしてます。

一人、月額会員さんが作業していました。

本もいろいろあります。テーブル、ハンモック。

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奥はセミナーができる黒板つきのスペース。

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ライミングウォールがある……下にマットしかなきゃ。

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ここのエリアは床が木材です。でこぼこしてるのがおもしろい。

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オーナーさんは不在だったのでパンフをいただきました。

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・人と比較しない。

・人を非難しない。

・ネガティブ発言はしない。

うわー、刺さります!すみませんっ!

Facebookを見るとすでにたくさんイベントを開催されているようです。

「予約は必要ですが、いろいろな方に気軽に利用してほしい」とスタッフの方は語っていました。

 

盛岡に今あるコワーキングスペースは、この2ヶ所のようです。

 

川村さんとも話したんですが、WeWorkなど大きい所が入ってきてシェアオフィスなのかコワーキングスペースなのかわからないけど、どかんと全国の主要都市に展開されると一体どうなるんだろうと、やっぱり思いますね。

ただ、仙台に限らず、立派なちゃんとしたスペースが気がつくと閉鎖してしまう事例をみるにつけ、結局限られたガチなレジェンドコワーキングスペースと、ゆるふわな変なところが生き残るんではないかと思っています。

まぁ、根拠のない楽天さがないと、スペース運営なんてできませんね。

コワーキングスペースは儲かるのか?2017年9月の売り上げ報告

毎月恒例のブログです。

今月は、ついに最低売上*1を更新してしまいました。2017年9月の売上は12,000円です。

今月はイベントがなく週3日、11日オープンし、ドロップインだけの収入でした。11日のうちお客様がいらっしゃったのは5日。利用者は6人です。

 

イベントないと、厳しいっすねぇ。

10月は4周年記念宴会をはじめ、いろいろあるので、9月よりはましかと思いますが。

 

*1:2014年からのデータ

「WORKMILL」にノラヤが載ってます!

とりいそぎお知らせです。

先日、メール取材を受けまして、新創刊のこちら「WORKMILL」にノラヤを紹介していただきました!

WORK MILL:Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)2017年11月号別冊

WORK MILL:Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)2017年11月号別冊

 

なんと、国内のコワーキングスペース紹介の項で、東北以北で掲載されているのがノラヤだけなのです……

東北以北代表!そんな!それは申し訳ない。

でも、記事を作った方の気持ちもわかります。だって、ふつうのコワーキングスペースがいっぱいある中、やっぱりちょっと変わったところを紹介したくなりますよね!

ぶっちゃけお金さえたっぷりあれば誰でも、コワーキングスペースはオープンできるし運営もできます。でも、変なスペースは誰だって作れるわけじゃないですからね!胸を張って自慢しますよ。運営継続はやばいですけど。

で、他の記事はまだ全然読んでません。すみません。でも、文章たっぷりの読み応えある雑誌なんです。入山章栄さんや北海道大学のコワーキング研究グループなど、私が注目している方々が登場していて、おっ、って思ってます。いわゆる「コワーキングといえばこの人」ではなく、学術的視点からのアプローチはなかなか表に出てこなかったので。じっくり読んで感想書きます。

こういうところに寄稿できるくらいになりたい。そのためには、もっと情報発信しないとですね。

ずっとやるやる言ってる、コワーキングスペース運営によって蓄積したノウハウの発信、やらなければ。

コワーキングスペースは儲かるのか?2017年8月の売り上げ報告

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こんにちは。売り上げ報告の前に。

ここんとこ、コワーキングスペース運営者の間で「コワーキングスペースとシェアオフィスの違いは何か」というテーマで盛り上がっていて、この件については後日ちゃんとブログを書きたいと思います。ただ話の流れで一部に炎上が観測され、その中でこんな話題が出たんですね。

・自身のコワーキングスペースの窮状をFBに書く。
・他のスペースや運営者の難癖をつける。

これは、やってはいけないことだと。複数の方がそう書かれてました。 

 

すみません、やってます………

しかも毎月Facebookどころかこうしてブログにして、窮状を訴えてますよ。オープンしたときから毎月。 

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私は他のスペース運営したい人のため参考になる情報を提供しているという信念および他ではやらない一種の芸のようなつもりでやってはいますが、もちろんこんなことやってるとそっぽ向く人もたくさんいますよ。当たり前じゃないですか。

まぁ言いたいことはいろいろあるけど、ここでは書けないので、聞きたい方は個人的に飲みにでも誘ってください。

 

というわけで今月の売り上げ報告です。

24,250円です。オープン日は12日、貸切1回。ドロップイン利用者は10人。イベントは行いませんでしたが、貸切と回数券購入の方がいらっしゃったのでこの売り上げになりました。
先月に比べて大幅にオープン日を増やしたのですが、やっぱり毎回お客様がいらっしゃるというわけではありません。それでも、お店を開けられるというのは幸せなことです。

貸切は、Knowledge BBQさん主催の、仙台ゆるふわWeb勉強会。僭越ながら私がCanva使おうぜっていう話をさせていただきました。

知れば知るほど使いたくなるCanvaです。

knowledge-bbq.connpass.com

 

来月は、このままいくと、4周年を迎えてしまいます!奇跡!

よろしくお願いいたします。

 

無理しないでいきましょう / 4周年の野望

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仙台は今日で35日連続で雨が降りました。明日も傘マークがあるので36日も狙えますね。

さて、久しぶりにここんとこ考えていることを。

 

少し無理していたかなぁと思いました。

トラブルで、しばらくお休み。悔しかったです。この悔しさをバネにがんばろうと思った。ノラヤもちゃんとまともなんだぜ。そう言いたくて、他のコワーキングスペースの真似して、イベントとか、がんばりすぎていた気がします。やりたくないこともやろうとしていたかも。だって、ドロップインが期待できないなら、イベントで収入を得ないと。

しかしがんばればがんばるほど、やっぱり人は離れるんですね。参加者は思うように増えない。

 

最近、荻原魚雷さんの本読み直して、自分がノラヤにどういうのを求めていたか原点を思い出しました。

私が居心地いいと思うスペースがノラヤなのです。起業家でもベンチャーでも若手でもクリエイターでもデザイナーでもアフィリエイターでもない、復興支援でもない、壮大な夢を持っているわけでも月に300万円稼ぐビジネスを開発したいわけでもない。地を這うように、地道に生きている人でも、気後れせずに居られる場所。

他のコワーキングスペースが何をしようと、他のコワーキングスペースはノラヤではない。できた経緯も規模も投入できるリソースも目指すところも違うわい!私は私なりのやりかたでやっていけばいい。

私は収入を得るために働かなければならないので、その時ノラヤはお休み。それはおかしいし恥ずかしいことだと思っていたけど、そういうのもありなんじゃないかと思えてきました。

 

いつのまにか、激戦区仙台のコワーキングスペースで4年近く生き残っていました。

仙台の中心から外れた場所に、おしゃれでも広くもない、便利でもない、週に3日だけ開く妙なコワーキングスペースがある。

そんなのを、面白いと思ってくる人(は、おそらくものすごく少数だと思いますが)に、少しでも存続している間に届いたらいいなと思います。

ビジネスではなく文化……かなぁ。

 

とにかく「ああ稼がなきゃ、イベントやらなきゃ、あれやらなきゃこれやらなきゃ」に、ちょっと疲れました。不本意なことはしない、無理しないでいきます。

私は別にノラヤに命をかけてるわけでもないんで。

 

で、4周年までは資金が持ちそうです。(おい

また宴会やろうと思います。いつもみたいにノラヤでもいいけど、どっかお店でぱーちーしたいなぁ。

北海道大学コワーキング研究コミュニティによる2016年度の調査結果を読んで

北海道大学コワーキング研究コミュニティによるコワーキングスペースへのアンケート調査に協力しました。2014年に引き続き、二回目になります。このたび報告書を送っていただきました!なので前回の内容も振り返りつつ印象的だった部分について書いてみます。

なお、内容は北海道大学の学術成果コレクションにもPDFで公開されています。コワーキングスペースを開設したいと夢見ている方は、まずこの論文を読んで現状というものを把握すべきだと思いますね。

 

ちなみに前回2014年の調査結果を読んでの感想ブログがこちらです。

 

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この冊子は前半が調査結果をまとめたもの、後半が相関を分析したものになっています。

今回も売上・利益と連携に着目して読んでました。

1ヶ月の売上が100万円以上のスペースは23である(16.8%)。一方で、73スペース(53.3%)は20万円以下、9スペース(6.6%)は売上なしである。

(p.130より)

売上の質問に回答したのは137スペースなのですが、このへんの割合は前回の調査とそう変わってないようです。

それよりショックなのは1ヶ月の利益の調査結果。こちらはN=126ですが、

108スペース(85.7%)は20万円以下、49スペース(38.9%)は利益なしである。

(p.131)

約40%のスペースがノラヤと同じ利益がゼロなんて、勇気が湧いてきますね!……いやいや。この40%の中でノラヤのように「本当は利益出したいんだよ!」と思っているスペースはどのぐらいあるのでしょう。「利益はなくていいんですよ〜慈善事業のつもりです、他で収益はありますから〜」と、菩薩のような笑みを浮かべているかもしれませんね。

話を戻しまして、さらにグラフを見ますと、利益0〜10万が49スペース、0〜10万以下が48スペース。97スペース(77.0%)が利益10万以下なんですよ!あんまりです!

ちなみに利益、中央値が3万です。

 

気をとりなおして、相関分析の方をみていきます。

分析のまとめはp.145に書いています。

相関は相関でしかないので、あまり信じちゃうのもあれですけど、

・近隣スペースをライバルとみなすほど、利用者が増える

・近隣や遠隔のスペースといった他の主体との連携と、利用者数には相関がみられない

このあたりは、そりゃそうだなわと思います。

この調査では「連携」という言葉の定義……つまり連携ってなにをすることなのか?がはっきりしていないため、解釈によってぶれてくるように思います。連携の片思いもありうる。

それから、

・起業家・経営者、法人利用者の割合が高まると、利益が増す

という点もそりゃそうだなと思うし、「起業家はいません!」と宣伝しているノラヤが利益ないのも、しょうがないなと思えてくるわけです。

が、そもそもこの利益も先に述べたように7割以上が零細で吹けば飛ぶようなレベルなんで、おそらく一人二人の違いで大幅に利益も変わってしまうんじゃないかと思います。

 

改めて、成功しているコワーキングスペースってほんの僅かなんだなと思いました。成功しているところはSNSでもすごく目立つので、コワーキングスペースの代表みたいに思えるけど、そんなことはない。コワーキングスペースを作ればあのように人が溢れかえりイベントを盛んに行い、賑わうものだと錯覚してしまうかもしれない。でも、実際は、77%が利益10万以下。コワーキングスペースの代表は、むしろノラヤみたいな零細スペースなんですね。

北海道大学のグループの方々には引き続き研究を続けていただきたいと思いましたし、研究費がもっと取れてもっと掘り下げた研究もしていただけたらありがたいなと思いました。

 

コワーキングスペースは儲かるのか?2017年7月の売上報告

こんにちは。売上報告です。

先月の売上は39,050円でした。 

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7月の売上は、21,000円です。

7月はスタッフの都合がつかず、全然オープンができませんでした。オープンできたのは3日で、しかもご利用になられたお客様は2人。………あれ?けっこうな頻度じゃないですかこれ。

そして今月から、月額会員さんが一人やめてしまいまして、まぁそれは全然来店されない方だったので仕方がないです。

イベントは一回だけ、第9回たこ焼きJelly!をやりました。

たこ焼きやらなければ売上20000円を切ってましたね……

もっといろいろイベントやんなきゃなとも思ってるんですけどやっぱ大変なんですよねイベントは。7月はあまりできませんでした。

 

4月以降のもろもろ以前から、売上は失速してました。ちょっとここらで振り返ってみましょう。

 

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昨年の7月をピークにグラフ的には下降トレンドになってきているんじゃないかと大変残念な感じです。

次に、内訳のグラフ。ちょっと見づらいんですけど。

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青が月額会員、黄色がイベント、オレンジがドロップイン。抹茶色が貸切です。ドロップイン(オレンジ)が一番多かったのが昨年の3-5月あたりなんですけど、今年は全然でした。

さて、崖っぷちノラヤ。でも、焦らず行きます、焦っても焦らなくても結果は変わらない。せめて心はたいらかにありたいものです。